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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

高性能の「ZEH+」住宅が創造するクリーンで快適な室内環境

高性能の「ZEH+」住宅が創造するクリーンで快適な室内環境

DATA
設計:Kawakatsu Design(担当/川勝崇道)
敷地面積:117.81㎡(約35.63坪)
建築面積:48.02㎡(約14.52坪)
延床面積: 91.08㎡(約27.54坪)
用途地域:第一種低層住居専用地域
構造:木造軸組
断熱基準: Ua値0.42W/㎡k
日射遮蔽: ηAC値1.3
気密測定値:C値0.1c㎠/㎠
建築:有限会社フロンティアーズ(担当/伊藝直)
キッチン:クリナップ株式会社(担当/副島正登)

「イニシャルコストよりランニングコスト」 理想の快適環境を求めて出会ったのは、 国も推奨する高気密&高断熱の省エネ住宅でした。

※週刊かふう2021年11月5号に掲載された内容です。

高性能の「ZEH+」住宅が創造するクリーンで快適な室内環境

高湿度の沖縄で快適に暮らすために

 県外ご出身のNさんが沖縄で暮らし始めて困ったのは、湿度の高さ。クローゼットに保管していた衣服までカビてしまったことでした。 「その経験から、湿度対策をはじめ住まいの知識と情報をしっかりリサーチしてマイホーム作りに臨みましたよ」
 住まい作りの知識を深める勉強会で学ぶなか、Nさんたちが求める住宅を実現したかのようなモデルハウスを訪れる機会に恵まれます。国が推奨するネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)基準のビルダーとして公的機関に認定されているフロンティアーズ、その代表を伊藝直さんが務めています。Nさんは「伊藝さんたちは琉球大学と共同して実証実験を行うなど、データに基づいた実力のあるビルダーだと思いました」と厚い信頼を寄せます。
「イニシャルコストよりもランニングコスト」という確固たる考えをお持ちのNさんは、木造住宅の躯体性能を充実させる部分に予算をかけました。防水・遮熱シートを内に入れた外壁、樹脂サッシや複層ガラスを採用した窓などによる高断熱化&高気密化。さらに太陽光発電システムや蓄電システムなどを備えて経済産業省の「次世代ZEH+実証事業」に参加し、国の補助金113万8000円の給付を受けました。
「これらの設備と売電のおかげで、入居以来の実質的な電気代は0円です。長期的に考えると初期費用は十分に回収できますよ」と説明するNさん。耐震性に優れた長期優良住宅にも認定され、地震保険料は通常の木造住宅の半額に軽減されています。まさに「イニシャルコストよりもランニングコスト」を体現しているのがNさん邸です。

高性能の「ZEH+」住宅が創造するクリーンで快適な室内環境

毎日の機能性を考えて 家事動線に優れた1階

 家族が集うLDKは採光を優先して2階に、明るさは控え目に落ち着ける雰囲気にしたい寝室やバスルームなどを1階に配置することにしました。両階とも白色の珪藻クロス(壁紙)のおかげで、住まい全体に明るい印象を与えています。
「家事の動線がスムーズで助かっています」と話す奥さまのお気に入りポイントは、洗面所やバスルームとランドリースペースが一体となった1階のサニタリー。駐車スペースに面したドアからバスルームへアクセスでき、子どもたちが水遊びした後も室内を汚さず直行できます。
 洗面所の壁の天井近くに、湿度が60%以上になると自動的に運転を開始し、60%以下になると停止する除湿器が設置されています。デッドスペースとなりがちな階段下に洗濯機を置いて空間を隈なく活用。室内干し用の物干しセットも備えており、自動運転の除湿器で乾燥までこの場で完結できます。乾いた衣類は階段を挟んで隣りのファミリークローゼットへ、手間をかけずに収納できるアイデアを採用しました。
 ファミリークローゼットの奥は、ロールスクリーンで仕切ることができるNさんの書斎。リモートワークに対応したホームオフィスとして重宝しています。その向かいは、まだ幼い子どもたちが共用するプレイルーム。個室が必要な年頃になったら間仕切りで2室にアレンジする予定とのこと。

高性能の「ZEH+」住宅が創造するクリーンで快適な室内環境

明るく広いLDKは くつろぎとゆとりを演出

 リビングの一角に設けたスタディスペース、小上がりに仕上げた和室、LDに向かって料理できる対面式キッチンは、子どもたちがフロアのどこにいても見守れるようにとの考えを反映しました。
 キッチン奥に設けたパントリー、その対角にある和室の壁などに「第一種換気」の換気口(全熱交換器)があり、70秒ごとに給気と排気を相互に繰り返すことで住まい全体を常にクリーン&快適温度に保っています。 「窓はほとんど開けずに、家の中の快適な空調を維持しています」との説明を裏付けるように、ひんやりと空調された冷気が肌に心地よく感じます。2階の階段前には「冷気止め」の引き戸が設けられ、2階の冷気が階下へ逃げてしまわないようこまやかな気配りがほどこされています。 「私たちの希望をたくさん挙げて、それを伊藝さんがこの敷地に収めてくれました。本当に大満足しています」とご夫婦ともに、快適な暮らし心地をうれしそうに紹介してくれました。

写真ギャラリー

設計・施工会社

フロンティアーズデザインハウス (有限会社フロンティアーズ)

TEL: 098-934-6701https://www.frontiers-house.jp/

TEL: 098-934-6701https://www.frontiers-house.jp/

沖縄市登川828

高性能の「ZEH+」住宅が創造するクリーンで快適な室内環境

高性能・高耐久を実現する 快適なZEH基準で 「未来の家」を今から創っているビルダー

有限会社フロンティアーズ代表取締役 : 伊藝直さん

 伊藝直さんが率いる有限会社フロンティアーズは、屋根や外壁の施工、金属工事の専門業者として1992年に創業。2018年からは、建築家と共同したデザイナーズハウス「R+HOUSE」の提供に取り組んでいます。デザイン性に優れ、「高気密・高断熱・高耐震性をかなえた高耐久の家」が、伊藝さんたちが探究する理想の住まいです。
 現在の国の住宅政策は、長期にわたって住み継ぐことができる高耐久性の住宅、地球環境に優しく低炭素社会に対応した住宅などの普及を目標に掲げており、一定の基準をクリアした住宅に補助金を給付するなどの支援を行っています。フロンティアーズが目指しているのも、国の補助事業「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」の認定基準を満たす高機能な住宅だそうです。
「私たちが手がける物件は、すべてZEHや長期優良住宅を標準にしようと考えています」と伊藝さん。琉球大学と共同研究しているZEH実験棟で得られたデータとノウハウを今後の住まいづくりに役立てる予定です。
 沖縄の高い湿度をきっかけに住環境について猛勉強したクライアントのNさんからは、省エネを図りつつ屋内の環境を快適に保つ住まいを依頼されました。それにはフロンティアーズが提唱する高断熱と高気密の住まいがベストマッチ。
「ホコリやPM2・5など外気の安全性が不確かな現代は、風通しの良さによる換気や涼しさより、気密性を高めた空間に高性能の換気システムを採用した方が効果的です」
 ほかにも多くのアイデアや設備仕様を提案したとのこと。
「クライアントの事前ヒアリングはもちろんですが、私たちは隣家のリビング位置なども調査して、互いのプライバシーにも配慮した間取りを提案しています」
 その結果、Nさん邸ではリビングを2階へ配置して気兼ねせずに過ごせる住まいへ。 「それから北側斜線制限に引っかかったため、片流れの勾配屋根は避けなければなりませんでした。屋根全体に太陽光発電パネルを設置できなかったのは残念です」との言葉から、最大の効果を引き出したいという情熱が伝わってきます。
「例えば将来的に売電の条件が厳しくなっても電気自動車へ充電すれば、それまでかかっていたガソリン代を浮かすことができるでしょう。私たちは高気密&高断熱のZEH住宅で、未来のスタンダードを 今 から創っています」
 先見性に富んだZEHビルダー・フロンティアーズの優れた技術と理想をNさん邸で体感することができました。



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