フランク・ロイド・ライトの設計思想を取り入れた「オーガニックハウス」
- DATA
- 家族構成:夫婦、子ども1人
- 設計:株式会社 沖縄シャングリラ
- 敷地面積:296.89㎡(89.80坪)
- 建築面積:69.09㎡(20.89坪)
- 延床面積:120.43㎡(36.43坪)
- 構造:木造2階建て(木造在来工法)
- 用途地域:無指定
- 完成時期:2019年9月
- 建築:株式会社沖縄シャングリラ
- 電気・水道:株式会社ネクストリノベーション
- キッチン:株式会社LIXIL
緑豊かな郊外に2階建て木造住宅を建てたS夫妻。連続する窓やテラスから緑の景色を取り入れた室内は明るく開放的で、日々、居心地のよさを実感しています。
内と外がつながる家
周辺の緑に白い外観が映えて、さわやかな印象のS夫妻の家。その一方で、深く張りだした庇や横つながりの連窓など、水平ラインを強調したデザインには安定感があり、その場にしっとりと馴染んでいます。
「窓がいっぱいあって、眺めがいいですよ。明るいところも気に入っています。室内と外がつながっている感じと言うのかな」とSさんはにこやかに話します。
夫妻の家づくりは、モデルハウス巡りから始まりました。「コンクリートより木の家の方が涼しくて、省エネになるのでは」と考えて、木の家に的を絞りましたが、そのほかには、これといったイメージは持っていませんでした。そして2件目にして、出合ったのが、フランク・ロイド・ライト財団が認定する「オーガニックハウス」でした。ライトは近代建築の3大巨匠の一人に数えられ、今年7月、8つの作品が世界遺産に登録されています。そのライトが提唱したのが、自然と建築とのつながりを大切にした「オーガニックハウス」です。モデルハウスで、その居心地のよさを実感した夫妻は、「オーガニックハウス」のライセンスを持つハウスメーカーに、家づくりを依頼することを決めました。
次に取りかかった土地探しでは、そのハウスメーカーの営業マンが、常に相談に乗ってくれたので心強かったそうです。ネットで「交通の便もよく、自然も豊か」な場所にある物件を見つけ、営業マンからも勧められたので、即購入。建築と敷地の結びつきにこだわり、緑豊かな南東側に窓を連ねた、明るく開放的な「オーガニックハウス」を完成させました。
リビングで輪になって楽しむ
玄関ホールから右へ、階段を4段ほど上がると、一直線に縁側のようなホールが奥まで伸びていて、そのホール沿いにダイニングルーム&キッチン、奥にリビングが配されています。壁に囲まれて、落ち着いた雰囲気の玄関から、LDKに足を踏み入れると、一変して大きな窓から光を取り入れた、明るく開放的な空間が広がります。キッチン&ダイニングと奥のリビングの間には間仕切りが設けられていますが、見通しのよいホールが、LDKをゆるやかにつなげています。リビングは、床高をホールより2段ほど下げることで、家族がくつろぐための特別な空間が演出されています。リビング側のホールの大きな窓の外にはウッドデッキが伸びていて、内と外を一体化させています。
「リビングはモデルハウスで見たときから、気に入っていました。普段は壁側に座って、外の景色を楽しんで、人が集まったときは、ホール側にも腰かけてもらって、みんなで輪になれるような感じがいいなと思いました」とSさん。
間取りは1階にLDKと水回り、2階に寝室と子ども室を配置。キッチン&ダイニング前面の階段は、踊り場を広げて、フリースペースとして活用しています。上下階の気配が伝わるように、フリースペースとホール側の間仕切りにはルーバーを採用。フリースペースの窓から風が通り、光が室内に降り注ぎます。
「キッチンが広くて、とても気に入っています。アイランドにしたので、お客さまが来たとき、料理しながら会話も楽しめます。キッチンからフリースペースが見えるけれど、プライベートも保たれていて、そういうところもいいですね」と奥さま。キッチン右手のドアに続く水回りとのアクセスもよく、家事がしやすそうです。
キッチンを中心に据えた、温かみの感じられる家で、家族の時間が刻まれていきます。