2階リビングから水平線を眺める フレンチスタイルのオシャレな住まい
- DATA
- 設 計: AJFホーム
(担当/小畑大地) - 敷地面積: 259.56㎡(約78.51坪)
- 建築面積: 54.65㎡(約16.53坪)
- 延床面積: 104.34㎡(約31.56坪)
- 構 造: 木造在来軸組工法
- 用途地域: 第二種住居地域
- 完成時期: 2022年3月
- 施 工: エージェイエフ有限会社
(担当/小畑大地) - 電 気: エージェイエフ有限会社
(担当/小畑大地) - 水 道: エージェイエフ有限会社
(担当/小畑大地) - キッチン: エージェイエフ有限会社
(担当/小畑大地)
眺望が開けた高台を選び、1階と2階の目的をしっかりと分けたOさん邸。
住まい手がDIYできる楽しみを残してもらい、手をかけ愛情を注ぐ過程を重ねて愛着を育んでいます。
週刊かふう2022年12月9日号に掲載された内容です。
海の見える家をかなえて日常がリゾートになる
譲ってもらう予定の土地を手放してまで、長年あたためた「海の見える住まい」の夢をかなえたOさん家族。
「日々のふとした時間に、遠くに見下ろせる太平洋の景色が気持ちをリフレッシュしてくれます」と語るのは奥さま。
数社のモデルハウスや見学会などを巡る中、漆喰や断熱材などで湿気対策がしっかりと考慮されたAJFホームの木造住宅の魅力に引かれたと回想します。希望を伝えると、敷地の高低差を生かして2階にリビングを設けるプランを提案されました。
眺望のための大きなピクチャーウインドーがあるLDをはじめ、BBQや水遊びもできる半戸外のテラス、来客のもてなしも含めてパブリック性のある和室やキッチンを2階にまとめ、1階には寝室やバスルーム、ランドリースペース、ファミリークローゼットなど、プライバシー性の高い空間を配置。目的や性質によるフロア分けが快適な暮らし心地を高めています。
フレンチスタイルの家にこだわりを利かせて
漆喰の外壁とスペイン産の瓦がオシャレなファサード。玄関の扉を開けると広い三和土(たたき)と斜めになった上がり框(かまち)が現れ、自然光や視線が抜けるスケルトンタイプの階段は空間に軽快さを与えています。角を曲線で仕上げた漆喰壁には瀟洒(しょうしゃ)な真鍮(しんちゅう)製のスポットライト。
「私は真鍮が好きで、ところどころに真鍮を選択しました」と説明してくれた奥さまは、整理収納アドバイザーの資格を持ち、その洗練されたセンスをわが家のインテリアに発揮しています。
例えば1階の廊下と洗面所で異なる床材を選んでいますが、その境界にアクセントとして真鍮を挟んだり、洗面台ではニュアンス色のタイルに透明なタイルを重ねて仕上げるなど、すみずみまで美意識が行き届いたアイデアに新鮮な驚きを抱きます。
「僕は照明器具に関心が高く、明るさはもちろんですがデザインや電球色、スペックにもこだわりました。シューズクロークやクローゼットは人感センサーの照明を選び、タスク・アンビエント照明を目指しました」と話すOさんから、わくわくしながらセレクトした様子が伝わります。
タスク・アンビエント照明とは、作業する場所や作業対象に必要な明るさに合わせた照明のことです。LDK天井に渡した梁のスポット照明、リビングとトイレの間のコーナーを活用した手洗い、テレビボードの下に仕込んだ間接照明など、その位置や間隔にまでこまやかに気を配っています。
DIYで手を加え、わが家らしさが深まる
「実はDIYが好きで、リビング壁のニッチを利用した収納の中は、私が棚板などを造りました」という説明を聞きながら拝見すると、奥の壁の一部は向こう側のパントリーまで空間がつながっています。
「手持ちの掃除機の大きさを計算して、収める場所の調整をしていただきました」とのこと。そのほかにもWi−Fi機器や子どもの通学用カバンなど、こまごまとしたモノを片付けてLDKをすっきりと整える仕組みを作っていました。
「庭造りも含めて、これからも少しずつ手を加えていく予定です」と楽しそうな奥さまと、「まだ作業が途中までのウッドッデキを仕上げていきたいと思っています」と話すOさん。
ゆくゆくは整理収納アドバイザーの資格を生かしたワークショップもわが家で展開したいと、考えている奥さま。使い勝手に優れ居心地の良い家づくり、住まいの快適な整え方、すてきな暮らし方のヒントを、まるでモデルハウスのようなOさん邸で学べる日が来るのが楽しみです。
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自然素材を厳選して創造する
高断熱の家を確かな技術で実現
AJFホーム 代表取締役 小畑和彦さん
福岡県で断熱メーカーとしてスタートしたAJFホームは、日本古来の木造軸組工法をベースに、躯体に耐震金物や耐力面材を用いる現代の技術を組み合わせた、安心・安全な住まいづくりに厚い信頼が寄せられます。
愛着と豊かな居心地のよさが持続する家づくりをコンセプトに、2019年に沖縄支店を開設。健康的で人に優しい自然素材をベースに先進の建築技術で快適さを追究して、ここ沖縄でも気候風土に合った家づくりに取り組んでいます。Oさん一家にも福岡にある宿泊型モデルハウスで同社の家づくりを体感してもらい、その快適さが建築依頼へ結びついたとのことでした。
Oさん一家が希望した「海が見える家」は、水平線が眺められる高台で実現したフレンチスタイルの住まいです。眺望を生かした間取りという希望に応えて、太平洋に景色が開けた2階の東側へパブリック要素を備えるLDKやテラスを配置。ブラウン系の梁を現しに仕上げたLDの勾配天井や漆喰の白壁が、南欧スタイルのボンシック(粋で趣味がいい)な雰囲気を引き立てます。
プライバシー性を高めたい寝室やバスルーム、ランドリールーム、ファミリークロークなどは1階にまとめ、洗濯や身支度などに伴う快適な生活動線を実現しています。また、お子さんが小さいうちは1室として活用する子ども室は、将来は2室へ区切ることに備えて廊下とのドアを2カ所に設置しました。
良質な大理石を主原料にした漆喰の外壁、落ち着いたオレンジ色の瓦屋根など、すみずみまで洗練のこだわりが感じられます。
現代の木造住宅のポイントは高気密・高断熱。同社は常に吸気と排気を機械で行う第一種換気を標準仕様とし、年間を通して温度や湿度を快適に保つ空調システムを導入。断熱・防火・防音・結露・シックハウス・エコの課題をクリアしたセルロース断熱材に加え、外壁と内壁に良質な大理石を主原料にした漆喰を厳選するなど、優れた吸放湿性と放蓄熱性で住環境を快適に整えるとのこと。直接手で触れる空間は無垢材や漆喰などの自然素材にこだわり、住まい環境を快適に整える側面に加え、愛着を育み、時とともに風合いが深まる住まいを提供しています。
同社の品質は国の事業の要件を満たしており、Oさん邸は「地域型住宅グリーン化事業」補助金を受給したそうです。
気候に適した在来工法に、専属コーディネーターとクライアントで創り上げるスタイリッシュな意匠をまとわせ、住むほどに愛着が深まるプランが魅力です。
設計・施工会社
AJFホーム
TEL:098-851-7696 | https://www.ajf-home.com
<沖縄支店>沖縄県糸満市潮崎町4-5-2