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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

高性能ZEH(ゼッチ)住宅でかなえたスタイリッシュな木造2階建て

高性能ZEH(ゼッチ)住宅でかなえたスタイリッシュな木造2階建て

DATA
設  計: HARMO design 株式会社
敷地面積: 213.56㎡(約64.0坪)
建築面積: 65.15㎡(約19.7坪)
延床面積: 105.70㎡(約31.9坪)
用途地域: 市街化調整区域
構  造: 木造在来軸組工法
完成時期: 2022年10月
建  築: HARMO design 株式会社 
     (担当/岸田)
電  気: ブルーワーク 
     (担当/末吉)
水  道: 夢設備(担当/玉城)
キッチン:  クリナップ(担当/新里)

子育て環境を整えるマイホーム計画は、ハイレベルな基準をクリアしたZEH住宅です。
国の補助金も活用した環境に優しい住まいは、省エネとコストパフォーマンスに優れた未来へ続きます。

週刊かふう2023年11月10日号に掲載された内容です。

高性能ZEH(ゼッチ)住宅でかなえたスタイリッシュな木造2階建て

ZEH住宅が要件となる「こどもエコすまい支援事業」

「私の故郷はのどかな景色が広がるところで、わが家もにぎやかな街より閑静な場所に建てたいと考えていました」と語るMさん。子育ての利便性も考えて、奥さまの実家と行き来がしやすい場所にマイホームを求めたといいます。

 将来は子どももマイカーを持つことを考慮した広い駐車スペースを確保、BBQができる庭やデッキテラスも欠かせないなどの条件から、2階建てとすることを決めたMさんの住まいは、ブラックと木の質感で彩られたスタイリッシュな意匠が印象的です。
 しかし、濃い色は太陽の熱を吸収してしまうのでは? と質問してみました。するとMさんは「うちは高気密・高断熱仕様のZEH(ゼッチ)住宅なので、屋内は常に快適なんですよ」とにこやかに答えてくれました。

 ZEHとは、断熱・省エネ・創エネの3つの相乗効果で年間の一次エネルギー消費量を0(ゼロ)以下に抑える機能を備えた住まいの認定制度です。住宅ローン減税で一般の住まいよりも多くの所得控除が受けられたり、住まいを対象とした国の補助事業から給付金を受け取る要件にもなっており、Mさん夫妻は「こどもエコすまい支援事業」を活用したいと考えていました。住まいの完成に合わせて電気自動車も購入し、災害時には自動車に充電していた電気を住まいで利用できる仕組みも整っています。
 さらに琉球銀行が提供している「ZEH専用住宅ローン」で、借り入れ当初から5年間は0・5%の固定金利という好条件で融資を受けることができました。新築を依頼した一級建築士事務所ハルモデザイン株式会社は、琉球銀行と連携する「ZEPリュウキュウ 」パートナーシップを結んでいる企業。借り入れへの流れもスムーズに運ぶことができました。

高性能ZEH(ゼッチ)住宅でかなえたスタイリッシュな木造2階建て

木のナチュラル感をブラックで引き締める

 高級感漂う大判タイルを敷いた玄関は、オープンタイプのシューズクロークを設置。リビングへと続くドアを開けると、天井まで吹き抜ける開放的な空間が現れます。
 2面の壁に設けた開閉できるハイサイドライトから自然光が屋内へ明るさを届けます。階段のアイアン製手すりや照明器具、シーリングファン、リビングの奥に配置されたダイニングキッチンなどにブラックを配色し、木の優しさが伝わるブラウンや壁に採用したホワイトの広がりを感じさせる空間の美しいアクセントとなっています。
「妻が濃い色をポイントに使いたいと希望し、プラン段階でハルモデザインの岸田さんが空間の色彩バランスを何度もシミュレーションしてくれました」とMさん。その仕上がりに夫妻は大満足しているそうです。
 奥さまが選んだキッチンはブラックで統一した、オシャレな空間。リビングへ対面するペニンシュラタイプのキッチンにカウンターテーブルを造作しており、居心地のよいカフェのような雰囲気を醸し出しています。背面カップボードは幅2・7メートルの大容量。その上には新築に合わせて一新したこだわり調理家電の数々を並べる予定で、壁には多くのコンセントが用意されています。
「要所にブラックを使いカッコイイ系にしていますが、2階のトイレは私が好きなキャラクターがプリントされた壁紙を選びました」と、かわいらしさも外せない奥さま。

 キッチンから脱衣所や風呂場、広い洗面所、ファミリークロークへは回遊でき、使い勝手のよい家事動線もこれからの暮らしを快適に支えてくれるでしょう。

高性能ZEH(ゼッチ)住宅でかなえたスタイリッシュな木造2階建て

高い吹き抜けが家族を深くつなぐ

 2階には主寝室と子ども部屋2室、トイレ。拭く抜けに臨む場所にはファミリーライブラリーを設け、壁紙に星座がプリントされたシックな柄を選びました。
「住育のため学びや興味につながるものをさりげなく選び、共有デスクで普段からコミュニケーションを深めたいと考えました。1階にいる家族の気配も感じられる造りがいいと思います」と子育て世帯が望むマイホーム像が余すことなく反映されたMさんの住まい。しっかりと計画した結果が実った、お手本のようなマイホームです。

写真ギャラリー

高性能ZEH(ゼッチ)住宅でかなえたスタイリッシュな木造2階建て

次世代のスタンダードな住まい、ZEHビルダーが提案するZEH住宅

一級建築士事務所 HARMO design 株式会社
岸田匡史さん/一級建築士・一級施工管理技士

 脱炭素社会の実現に向けて「一定の省エネ基準を満たさない新築住宅は、2024年1月から住宅ローン減税の対象から外れる」という国の発表は、とても衝撃的なものでした。しかし、それ以前から「断熱・省エネ・創エネ」の家造りに取り組んで、国の基準に沿ったZEH(Net Zero Energy House)を建てることが認定されたZEHビルダーとして登録し、実際にZEH住宅を提供してきた事業者もいます。一級建築士事務所ハルモデザインの岸田匡史さんもその一人です。

「Mさん夫妻はランニングコストや環境への影響など社会意識が高く、また国土交通省の『こどもエコすまい支援事業』の補助金活用を視野に入れて、当初からZEH住宅を希望していらっしゃいました」と回想する岸田さん。クライアント家族に合わせたデザインと住環境性能、コストのベストバランスの提案に努めるハルモデザインの姿勢に共感したMさん夫妻は、岸田さんに依頼することに。
「Mさんのお宅では6kWhの太陽光発電システムを屋根に搭載し、シミュレーションでは年間で約15万円分の電気を発電できます。電気自動車(EV)などの大容量バッテリーを家の電源として活用する「V2H」システムで完全自立のオフグリッドシステムも可能。光熱費を大幅に削減でき、防災への備えにもなります」

 外壁や基礎・屋根には遮熱・断熱・気密性の高い外張り断熱工法を採用し、室外と室内の温度差が小さい健康&快適に過ごせる住環境かつ省エネを可能にしました。大きな吹き抜けのある木造2階建てですが、綿密な構造計画を練ることで耐震等級3に相当する強度を実現しています。

 意匠についてはラフプラン時からCG等を用いて間取りと内外装デザインを提案し、Mさんとイメージ共有しながら検討を重ねたといいます。特にブラック系のハイセンスでシックなキッチンと木の優しい風合いをどのように組み合わせるか考慮したとのこと。

 1階は開放感のある大きな吹き抜けを中心に、リビング、ダイニングキッチン、畳スペース。2階にはスタディースペースと寝室などの個室を配置。また感染症対策や整理収納、効率よく家事をこなせる水回りを実現するための回遊動線
「めいめいが好きなところで過ごしながらも、家族がつながり豊かなコミュニケーションが生まれる空間。使い勝手がよく、暮らしやすい住まいに仕上がったと思います」と岸田さん。「沖縄の未来に貢献できるZEH住宅にこれからも取り組んでいきたいと思います」と話してくれました。

設計・施工会社

一級建築士事務所 HARUMO design(ハルモデザイン) 株式会社

TEL:098-996-4810https://okinawamokuzou.com/

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豊見城市豊見城574-20 かじゅまるビルヂング102

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