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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

暮らしの中に遊びと学びを エデュケーションハウス

暮らしの中に遊びと学びを エデュケーションハウス

DATA
所在地:宜野湾市
家族構成:夫婦、子ども3人
設計:一級建築士事務所 HARMO Design(担当/岸田匡史)
敷地面積:178.05㎡(54坪)
建築面積:71.89㎡(21.5坪)
延床面積:120.06㎡(36坪)
用途地域:第1種低層住居地域
構造:木造軸組工法2階建て
完成時期:2019年3月
建築:HARMO Design(株)(担当/岸田匡史)
電気:優でんき(担当/大湾優)
水道:功設(担当/大庭保)
キッチン:クリナップ(担当/宮里桂太郎)

暮らしの中で子どもたちが遊びを通して学んでいくための仕掛けが随所に施された家。内部は田の字型に居室を配したシンプルな2階建てプランがベースの3層構成で、家族それぞれがリクエストした居場所をユニークな形でつなげています。

暮らしの中に遊びと学びを エデュケーションハウス

家の中にアスレチック
子育てを楽しむ家を

 家づくり当初から田口さんご夫妻が共通して希望していたのが、家の中にアスレチックを作ること。「暮らしの中で遊びながら学び、身体や思考力を鍛えて欲しい」と、幼い3人の子どもたちが健やかに育つ環境を家の中に作ることが最大のテーマでした。
 しかし、ご夫妻の考えに理解を示す建築士になかなか巡り合えず家づくりは難航。そんなある日、「すごく面白いですね」と共感を持って接する建築士と意気投合し、家づくりは本格的にスタートします。
 マイホームを建てるために購入した土地は、「安全で子育てがしやすいから」と大通りから離れた静かな住宅地にあり、遠景に海が望めます。設計にあたっては、アスレチックを作ること以外にも、子どもたち専用のキッチンを設けるというユニークなものもありました。これには「子どもたち自身で管理させて、この家に居場所があることを実感してもらいたい」という奥さまの思いが込められており、食の楽しさや大切さを学ぶと同時に創造性や自立心も養われます。なお、アスレチック用のクライミングホールドやネットなどはご主人自ら調達し、取り付けについては現場で建築士や大工と相談。「私たちの要望を構造的に検討して、うまく組み入れてくれました。相談しやすい雰囲気だったので、家づくりを楽しむことができました」と振り返ります。
 昨年3月に完成した住まいは、1階と2階そしてロフトの3層構成の木造で、1階のリビングの吹き抜けを中心に縦横無尽に動き回れるようになっています。例えば吹き抜けには、のぼり棒やボルダリングができる壁、ネットやうんていなど、雨の日でも退屈しない仕掛けが満載。普段の暮らしの中で子どもたちの身体能力を鍛えると共に、立体的な思考力を育みます。
 この吹き抜けのアスレチックを子どもたちの遊び道具と侮るなかれ。うんていにぶら下がるだけでもいい運動になるそうで、奥さまは「友人を招く際に運動のできる服装をと声をかけることもあり、みなさん楽しみにしてくださっています」といいます。

暮らしの中に遊びと学びを エデュケーションハウス

効率的な8の字動線で普段の家事効率をアップ

 1階にはアスレチック遊具を設置したリビングのほかにも、ダイニングやキッチン、水回り、リボンをモチーフにした小物を作ったり、教室を開いたりするための奥さまのワークスペースを配置。さらに家事効率を高めるため、それら空間を2つの回遊動線を組み合わせた8字動線でつなげたほか、ダイニングには扉のない収納棚を造り付けています。
 子ども専用のキッチンについては、今はまだ、奥さまがつきっきりでおやつを作ったり、子どもの友達が遊びに来た時に一緒にポップコーンを作ったりする程度だそうですが、このキッチンが自分たちだけのものだと子どもたちには伝わっているようで、「いずれは私たちのごはんも作ってもらいたいですね」と楽しみにしている様子。

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 2階には家中を見渡せる場所にご主人の書斎があり、その奥にある小さな扉をくぐると子どもたちの秘密基地、上部には多目的に使えるロフトが。これらの空間は吹き抜けを通して家中につながっています。さらに2階には、将来に備えて、8歳、5歳、3歳のお子さまそれぞれの個室も確保されています。
 木の質感を生かした室内は、まるで森の中にいるような心地良さ。小屋裏のロフトの窓を開ければ、海側から丘陵地に向かって吹く風が通り抜け、「できるだけ自然な空気感の中で暮らしたい」という要望も叶えられたことが実感できます。子どもたちの健やかな成長を願って建てられたこの家は、家族の時間をより楽しく豊かなものにしてくれそうです。


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