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基礎からわかる相続Q&A File.13 法定相続人以外に相続させる方法について

基礎からわかる相続Q&A File.13 法定相続人以外に相続させる方法について

週刊かふう2022年11月18日号に掲載された内容です。

Q. 兄との共有財産である土地を妻の継子に相続することはできるでしょうか。

 私は、両親が所有する土地の一部の上に住宅を建設しました。しばらく前になりますが両親が亡くなってしまった際に、兄と相続について話し合いをし、土地については私と兄とで共有とすることで話がつきました。しかし共有になった後も税金の関係や土地の使用方法等で、兄と意見が合わないことが多く、意見のすり合わせに苦心しています。

 そんな折、私は妻と妻の継子(連れ子)とともに生活していましたが、妻が闘病の末亡くなってしまいました。私と妻との間には子はいません。妻の子は、妻の死後も私の生活のサポートをしてくれ、今でも私が病院に行く際の送迎などをしており助かっています。私としては、私が死んだときには、妻の子に私の財産を相続してほしいと考えています。ただ、私の兄と妻の子との折り合いが悪く、妻の子が私の財産を相続した場合に、共有財産である土地の使用方法等をめぐって、兄との調整のために妻の子に迷惑をかけてしまわないか心配しています。私が生きているうちに、共有の問題を解消する方法があるでしょうか。

A.人間関係は多様ですから、子や配偶者等の法定相続人ではない方に相続してもらいたいと希望することもあります。その場合の相続の方法についてみていきましょう。

 いわゆる継子には、そのままでは相続権が認められていません。相談者様には子どもがいらっしゃらないとのことなので、もし相談者について相続が発生した場合には、そのままでは相続人はご兄弟ということになります。

 死後に継子に財産を承継させる主な方法としては、養子縁組と遺贈があります。
養子縁組は、養子となる者に養親の嫡出子としての法的地位を与える手続きです。このとき、養子と養親の血族との間に法定血族関係も発生します。

 相談者様が妻の継子と養子縁組の手続きをとれば、妻の継子は相談者様の子として相続人となり、財産を引き継ぐことができます。もっとも、養子となると戸籍上養親の姓となるなど、社会生活上の影響があるので、養子となる方の意向がどのようなものか、よく話し合う必要があります。

 次に、遺贈による方法は、相談者様が亡くなった時に備えて遺言を作成し、遺言によって財産を与える方法です。遺言によって法定相続人以外の方へ遺産を与えることもできますから、このような遺言も可能です。
 もっとも、相続税の観点からは、遺贈を受けた方が親子または配偶者以外の者の場合、相続税額が加算されてしまいます。相続税が心配ということであれば、できれば養子縁組を利用することが有利といえます。

 そして、相談者様の住居がある土地については、お兄さまと共有となっているとのことですが、共有状態の解消に向けた手続きとしては、共有物分割請求があります。共有物分割請求とは、その名の通り共有物を分割することの請求で、共有者間で協議が調わない時には裁判所に共有物を分割することを求めることもできます。
 共有物分割の方法としては、大きく、現物の不動産を分割する現物分割、不動産全体を売却して代金を分ける代金分割、共有者の一人が他の共有者の持ち分を取得する代わりに対価を支払う価額賠償の三つがあり、どれが適当かはケース・バイ・ケースとなります。



基礎からわかる相続Q&A File.13 法定相続人以外に相続させる方法について

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