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新着 不動産相続Q&A File.28 「遺言書の活用」について

新着 不動産相続Q&A File.28 「遺言書の活用」について

週刊かふう2024年6月28日号に掲載された内容です。

 

 

 

「遺言書の活用」について

不動産相続について司法書士の経験と目線から実践的なアドバイスや解決策を提供します。今回は、相続登記促進のポイントとしても期待される「遺言の活用」について、区長と青年会会長のユンタクで解説します。

【区長】 相続登記義務化が始まって3カ月が経過しようとしている。4月1日以前に開始している相続については令和9年3月31日が義務化の期限だから残り約1000日だよ。

【青年会会長】(以下、青年会)オリンピックまであと何日というようなカウントダウンはやめてもらえないですか。でも4月からの3カ月でどのくらい相続登記申請が増えたか気になりますね。

【区長】 そこでだ、今回は遺言書についてユンタクしてみたい。遺言書の普及が相続登記促進にとってポイントになると思うので多くの区民にも知ってもらいたい。所有者不明土地解消の観点からみれば、「遺言書の普及が日本を救う」みたいな感じになるかな。

【青年会】おぉ~! それはスゴイ表現ですね。日本を救うとまで言いましたね。その先の話をぜひ聴かせてもらえないですか。

【区長】 (ここから昔話風に)昔々のことじゃった。ある里に遺言書の普及率が100%の区があったそうだ。その区では歴代の区長が区発展のために遺言書普及に熱心に取り組み、そのおかげで相続に関する紛争や所有者不明土地はほとんどなく、道路やインフラ整備等の公共事業も順調に進み子や孫もその地に住宅を建て地域がますます活性化していったそうだ。
一方、隣の区は遺言書の普及率が低調で、地域には空き家が目立ち、相続登記未了の土地も多く、所有者不明の土地も少なくなかったそうだ。そのため子や孫は土地の相続ができないことから担保設定が難しくなり、住宅を建てることをあきらめた若者の多くが区を去り、ますます衰退していったそうだ。

【青年会】 架空の話だとはいえ、わかりやすくイメージができる話でした。遺言書があると相続手続きがスムーズに進み、そのことにより相続登記が促進する。自ずと所有者不明土地の発生予防ともなり、公共事業や民間開発が円滑になって地域が活性化する。三方よしですね!

【区長】 日本はアメリカ等の諸外国に比べ遺言書の普及率が低いそうだ。低い理由は複数あると思われるが、一つに知識(広報・教育)の不足があると考えられる。戦後、家督相続(家単位)から法定相続(個人単位)に改正されたことで遺言書も普及すると思われたが低調だったようだ。広報不足だったのだろう。

【青年会】 ところで遺言書があるとなぜ相続手続きがスムーズに行くのですか。

【区長】 遺言書は遺産分割協議や法定相続分に優先する。つまり、遺言書がない場合に遺産分割協議が必要になる。相続財産が不動産と預金のケースで相続人が複数いると不動産は分割が難しく、遺産分割協議も紛糾することも少なくないないが、あらかじめ遺言書に(不動産をAに預金をBに相続させるとか)記載していれば遺産分割協議が不要で手続きがスムーズにいく。遺言書が「水戸黄門の印籠」のようなものになるということだ。ホッホッホッホ(笑)

【青年会】私の世代ではテレビ放映(水戸黄門)が終了しておりよくわかりませんが、親からは聞いたことがあります。遺言書は印籠のように強い力があり相続人はその内容に従わないといけないことになるのですね。

【区長】 そのとおりだ。遺言書は自分で作る自筆証書遺言と公証人役場で作る公正証書遺言がある。遺言書作成にはルールがあり、ルールを守らなければ有効な遺言書とならない。また、遺言書は判断能力がないと作れないので、認知症になる前に作ることが必要だ。私も区長として区の発展のため遺言書普及に尽力したいな。

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