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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

築46年の物件を大胆にリノベしたらイメージを一新する住まいが誕生

築46年の物件を大胆にリノベしたらイメージを一新する住まいが誕生

DATA
設  計: 沖縄KENコーポレーション株式会社
敷地面積: 176.00㎡(約53.24坪)
建築面積: 65.61㎡(約19.84坪)
延床面積: 65.61㎡(約19.84坪)
用途地域: 第一種低層住居専用地域
構  造: 鉄筋コンクリート造
完成時期: 2020年8月
建  築: 株式会社ライズ
      (担当/矢作)
電  気: 株式会社フジタ電設
     (担当/藤田)
水  道: 株式会社七色
     (担当/小出)
キッチン: 永大産業株式会社 沖縄営業所
     (担当/横山)
家  具: 株式会社ファブリック
     (担当/上原)
植  栽: PLANTADOR
     (担当/鈴木)

心地いい、リノベ計画07 COMFORTABLE RENOVATION
豊見城市 Mさんのプラン

築年数が高くとも状態の良い3LDKをリゾート風のデザインや素材でリノベーション。信頼のおける2人の専門家に導かれてトータルコーディネートをほどこした統一感のある2LDKへと生まれ変わりました。

週刊かふう2020年11月27日号に掲載された内容です。

築46年の物件を大胆にリノベしたらイメージを一新する住まいが誕生

設計デザインに惚れ、売り手の人柄に惹かれて

 Mさんは、二人のプロフェッショナルによって実現した、新しく生まれ変わりながら長く受け継がれる住まいの快適さを多くの人に伝えたいと『週刊かふう』に取材依頼してきた読者です。

 お子さんが小学校へ上がる前にマイホームを持ちたいと考えていたMさん一家。幸いにも実家近くに、リノベーション中の売り家情報を得ます。連絡などは入れずに現場を訪れ、工事中の職人さんに物件について質問してみました。
「仕事の手を止めて、私の質問以上のことを丁寧に説明してくれたんですよ」
 Mさんが人柄に惚れ込んだ人物こそが、この中古物件を買い取りリノベーションして再販する高橋健一さん(沖縄KENコーポレーション株式会社)、その人でした。

 昭和49年に建築確認申請された物件ですが、構造レベルが現行の建築基準を満たしており、コンクリートの剥離なども見られません。高橋さんはいくつものCG画像を使って完成イメージを提示し、物件の魅力をMさんに伝えました。
「通常はリノベーション完了後に販売となるのですが、Mさんは工事中に売買契約を結ぶこととなった珍しいケースです」(高橋さん)

 高橋さんのファーストプランをほぼそのまま進めることになりましたが、好奇心が豊かなMさんは、時間を見つけては足しげく現場に通ったといいます。その度に、現場監督を務めつつ自らも工事に勤しむ高橋さんは、建築の技術的なことをはじめさまざまな話を聞かせてくれました。
「そのうち進捗報告はそこそこに、家造りとは関わりない世間話とかする仲になったんですよね」
 と笑うMさん。高橋さんも
「来る度に工事が止まるから、おかげで引渡し時期が延びたりしてね」
 と冗談を交ぜてきます。
 住まいの機能や設計デザインは信頼する高橋さんにお任せして、Mさんは現場で過ごす時間そのものが好きになっていたといいます。

築46年の物件を大胆にリノベしたらイメージを一新する住まいが誕生

信頼できるプロと出会い家具もトータルで依頼

 マイホームが出来上がっていく中、新居に入れる家具のことを考えるようになったMさん。家具のセレクトショップへ出かけることに。そこでも運命の出会いがありました。
「スタッフが『ソファを選ぶときは1時間くらい腰掛けて、その座り心地を体感してください』とアドバイスするんです」
 家具の選び方や付き合い方、使い込むうちに熟成される愛着について語る上原亘さん(株式会社ファブリック)も、使い手の立場から助言してくれる人でした。

 まずはダイニングテーブルを選ぼうと思っていたMさんは何度もショップに通い、親身になって説明してくれるインテリアの組立法に耳を傾けるうち、リビングや個室、子どもの勉強机など、だんだんとインテリアのイメージが膨らんでいったそうです。
 上原さんも工事中のMさん邸に足を運んで各室を細かく採寸し、デザインはもとより、配置場所にピッタリと収まるサイズの家具をトータルコーディネート。入居と同時に居心地の良い生活空間を実現してくれました。
「私が思いきって購入を決めたのはソファ。そこに座っていると、長い年月をともに過ごせる上質な家具を選べた実感が湧き、心から満足しています」
 お子さんは大人になっても手放したくない勉強机が大のお気に入り、「リノベーション前からは想像できないほど、見違える住まいになりました」と喜ぶ奥さま。

 売り手・買い手という枠を超え、共感に支えられて再誕したマイホームは、完成後も強い絆の交流の場にもなっています。

写真ギャラリー

築46年の物件を大胆にリノベしたらイメージを一新する住まいが誕生

構造などをしっかりと改修した上で、自らが住みたいと思う設計デザインへ

右 : 宅地建物取引士 ・ 高橋健一さん(沖縄KENコーポレーション株式会社)
左 : インテリアアドバイザー ・ 上原亘さん(株式会社ファブリック)

 中古物件を買い取り、リノベーションを加えた後に販売する「再販」をメインに手がける沖縄KENコーポレーションの高橋健一さん。
「コンクリート建築物の耐用年数は欧米では100年という説もあり、躯体の外回りがしっかりしていれば概ね大丈夫です」
 小規模企業だからこそ取り組める、細かい部分まで行き届いたリノベーションをモットーに予算をかけて徹底的に取り組み、〝自分が住みたい〟と思う上質感に満ちた家へと仕上げるそうです。Mさん邸は建築時の構造図書が残っており、現行の基準を満たしていたため、構造計算の依頼や補修工事の予算をかけずに済んだとのこと。

 東京ご出身の高橋さんが沖縄の住まいに抱くイメージはタイル敷きのフロア。
「Mさん邸も、フロアを大理石調のタイルに換えることから発想しました」
 次いで、外国風の趣ある玄関ドア。クロス(壁紙)は伸びやかさを感じさせる白を選び、キッチンにランドリースペースを備えること、天井まで届く建具の高さなど、空間を広く見せる要素をいくつも凝らしています。

 一方、Mさんが家具の下見に訪れた株式会社ファブリックでインテリアアドバイザーを務めているのが上原亘さん。好きなものを取り入れるだけでは、バランスを取るのが難しいと言います。
「ソファやチェストなどに大きなサイズを希望する方が多いですが、家具選びのコツはそれを置く空間にマッチしたサイズを選ぶことです」
 また、素材やデザインに統一感を出して空間全体のイメージを整えることも大切。ダイニングテーブルと組み合わせた椅子は別ブランドですが、素材をウォルナットで揃えたのですんなりと馴染んでいます。テーブル上のペンダントライトをはじめ、照明器具も上原さんの提案が採用されています。

 Mさん邸の『スマートカーテン』はブラインドとカーテンの長所を兼ね備え、調光が容易で1枚ずつが独立しているため手入れもラクです。海外ブランドですが、日本国内向けの製品は今年から沖縄県内で生産されており、以前に比べて取り入れやすい価格になっているとのこと。新しい製品の情報に触れたり、洗練されたトータルコーディネートを実現できるのも、専門家に相談するメリットでしょう。

設計・施工会社

沖縄KENコーポレーション株式会社

TEL:098-988-7214https://okc.okinawa-jp.info

TEL:098-988-7214https://okc.okinawa-jp.info

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