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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

LDKと和室が直線で連なる インダストリアルスタイルの家

LDKと和室が直線で連なる インダストリアルスタイルの家

DATA
設  計: 株式会社りーふ 
     (担当/大木聡)
敷地面積: 458.00㎡(約138.5坪)
建築面積: 154.68㎡(約46.8坪)
延床面積: 146.60㎡(約44.3坪)
用途地域: 指定なし
構  造: 鉄筋コンクリート造
完成時期: 2020年4月
施  工: 株式会社りーふ 
     (担当/宮城守康)

広い敷地の形状を生かして、奥へと広がる空間を構成。
新しさにヴィンテージ感を取り合わせた、カッコよくまとめたインダストリアルスタイルの住まいです。

週刊かふう2023年5月19日号に掲載された内容です。

LDKと和室が直線で連なる インダストリアルスタイルの家

憧れのインテリア雑誌がマイホームのお手本

Kさんの奥さまは、幼い頃からインテリア雑誌を眺めては、マイホームの夢を膨らませていたといいます。
「母がインテリア好きで、それに関する雑誌が身の回りにたくさんありました」

 Kさんのおじいさまが所有する土地を譲り受けてマイホームづくりに取り組むことになったとき、夫妻は広い庭やアイランドキッチンのある回遊型LDKで子どもが走り回れる、のびのびとした住まいを思い描いたそうです。その一方、子どもたちが独立した後は夫婦2人となることも想定して、暮らしが変化するごとに住まいもアレンジできる可変性を大切にしたいと考えました。
 また、一つひとつ吟味して集めてきたアメリカ家具を新居でも使い続けたいと、持ち込むモノのサイズなどをプラン段階で相談したそうです。インテリアは愛用の調度品とも相性のよい「カッコイイ」系のインダストリアルスタイルとし、白やブラウンの濃淡をベースに、引き締め色としてブラックとディープブルーを選択しました。

LDKと和室が直線で連なる インダストリアルスタイルの家

奥行きを生かしたLDKが暮らしに伸びやかさを演出

 長方形をなす敷地の南側は緑の芝生が広がる庭、そこへ面するLDKが直線上に連なる奥行きを生かしたレイアウト計画としました。
 奥さまが特に気に入っているのは、玄関ホールから続く場所にあるアイランドキッチンを配したスペース。「キッチンの天板がフラットで広く、調理がしやすくなりました」とうれしそうです。上部にはアイアンと木の板を組み合わせたつり棚があり、調理器具や置物、スワッグなどがセンスよくディスプレーされ、まるでカフェのような仕上がり。
 その横にダイニングテーブルを並べて「食」の空間を演出し、大型ソファとテレビセットを置いたリビングへと空間をつなげます。リビングには1年前に迎えたダックスフント、ナビの室内サークルも置いています。
「ナビのおかげで家族がリビングに集まることが多いですね。でも子ども室を2つに区切ってからは、子どもたちは自分だけの時間も楽しむようになりました」

 一番奥は縁なしの琉球畳を敷いた和室とし、床の間と仏壇用スペースを用意しています。掃き出し窓をはじめ開口部には、遮熱効果のある月桃紙を張った吉村障子を採用。「夏にゴロンと寝転がると、気持ちがいいですよ」と奥さまが、その快適さを話してくれました。

LDKと和室が直線で連なる インダストリアルスタイルの家

物理的 or 視覚的、フレキシブルな仕切り方

 ソファの背は壁に接しているように見えて、実は子ども室ヘアクセスする引き戸。垂れ壁がないハイドアの引き戸としたことで、閉じると壁のようにスッキリした見た目を演出できます。開け放つとリビングと一体に広がる空間へ。

 キッチン向かいのスタディースペースはフロア高を一段下げ、壁紙を別色にすることで半個室のように仕上がりました。リビングの折り上げ天井は空間を広く見せるとともに、壁で仕切らずとも視覚的な区切りを感じさせます。
 長女が通学の利便性から奥さまの実家で暮らすようになり、3人で共用していた子ども室を有孔ボードを使って仕切りました。プラン段階で意識していたフレキシブルな可変性が早くも役立っています。

 ファミリークローゼットや通路側の壁面棚など収納スペースを集約したことで、個室やLDKを広々と使えているといいます。個室に高窓を採用しカーテンが必要ないことや、家具配置の自由度が高まっていることも、のびやかな空間づくりに貢献しています。
「マイホームへの希望はほぼかないました」と振り返る奥さま。ふと見上げると、要所にフクロウをデザインしたステンドグラスがはめ込まれているKさんのお宅。一家に「福を呼ぶ」マイホームを象徴しています。

写真ギャラリー

LDKと和室が直線で連なる インダストリアルスタイルの家

クライアントとともに創り上げる住まい、完成後も密なお付き合いを大切に

株式会社りーふデザイン/設計・施工管理
國吉将司さん(二級建築施工管理技士、第二種電気工事士)

 今回紹介したKさんと株式会社りーふとの出会いは、同社の完成見学会。Kさんのお宅の完成見学会にも多くの方が訪れ、株式会社りーふデザインの國吉将司さんは「モダンでリゾート感のある外観が目を引いたようで、近隣に住む外国人の方も立ち寄ってくれました」と当時を振り返ります。

 Kさん夫妻とりーふはじっくりとプランを練り上げ、時間をかけて完成までたどり着いたといいます。
「私たちが特に注力しているのは、ヒアリングによってクライアントが望む将来の暮らし方を明確にしていくことです」

 新居に向けて、まずは現在の住まいで困っていることは何かを引き出します。家事の主な時間帯が夜であれば衣類乾燥機や室内干しスペース、花ブロックで通風性を高めた半戸外の物干し場などで解決を図ります。
 子どもたちの成長・巣立ちを見越して、可変性を持たせた子ども室をリビングと一体となれる場所に配置するなど、暮らしの変化へ柔軟に寄り添える設計やアイデアを提案します。
「家事をラクにする動線、モノの居場所を決める十分な収納スペース、床に段差のないバリアフリーはもちろん、掃除がしやすく天井高をアピールできるつり式引き戸の建具は一軒ごとに造作するなど、きめ細かく配慮しています」

 また玄関やLDは西日を避けて南向きに配置し水回りは西側にまとめるなど、理にかなった琉球風水を採り入れるレイアウト計画は、沖縄の住まいに快適さをもたらします。
「水回りを1カ所にまとめて採光がないと暗くなりがちなので、Kさんのお住まいでは天窓を設置して自然光を採り入れています」

 和室でカーテン代わりとなる障子は窓との間に空気の層を創り出し、遮熱効果を高めます。そこにインテリアとしてのデザイン性を高めた吉村障子をセレクトするなど、機能性と建築美を融合を図ります。
 さらに健康や安全に配慮した建材や塗料を厳選する姿勢、収納スペース内部に湿度調整が期待できる珪藻土を用いるなど各所に求められる機能性を高めた工夫に、同社の真摯(しんし)な取り組みが表れています。

設計・施工会社

株式会社りーふ/株式会社りーふデザイン

TEL:098-988-4540https://leafreef.ti-da.net/

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宜野湾市伊佐3-9-18

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