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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

2つの光庭で開放感を創造した ラグジュアリーなコートハウス

2つの光庭で開放感を創造した ラグジュアリーなコートハウス

DATA
設  計: Style Create
     一級建築士事務所  
敷地面積: 203.84㎡(約61.66坪)
建築面積: 119.68㎡(約36.20坪)
延床面積: 117.43㎡(約35.52坪)
用途地域: 第一種中高層住居専用地域
構  造: 鉄筋コンクリート造
完成時期: 2022年7月
建  築: 有限会社 秀林組
     (担当/松田祥一)
電  気: 和電設(担当/志喜屋)
水  道: ワタル設備(担当/宮里)
キッチン: パナソニック リビング九州
     株式会社(担当/山城)

子どもが巣立ち、夫婦二人の暮らしに。
「ホテルのような空間に仕上げたい」との希望をたっぷりと反映した大人仕様の開放感とくつろぎ。

週刊かふう2024年6月7日号に掲載された内容です。

2つの光庭で開放感を創造した ラグジュアリーなコートハウス

夫婦二人の暮らしに大胆な空間計画を

 娘さん家族が新居を構えたのを機に、その近くに土地をみつけて住み替えたOさん夫妻。週末には娘さん家族が遊びに来ますが、基本は二人だけの暮らしなので思い切ったデザインも取り入れやすかったといいます。
「一番に思ったのは"カーテンや網戸が要らない家にしたい"ということでした」とプランニング当初を振り返るお二人。プライバシー性と開放感を両立させつつ、すっきりと仕上げた空間に無粋なものは置きたくないなど、ラグジュアリーホテルのようなイメージを大まかに描いていました。
 上質感あふれるスタイリッシュな設計が特徴的なスタイルクリエイトの照屋秀吾さんに相談したり、完成見学会で実際の仕上がりを目にする中で、フロア材やクロスなど具体的なイメージが固まってきたそうです。

 提案されたプランは、高い建物が建つ両隣から屋内に視線が届かないよう4.35メートルもある目隠し塀を躯体と一体化し、明かり取りの光庭(コート)やテラスを内包する住まいでした。建物の内に開けたデザインなら、カーテンがなくても伸びやかな暮らしが実現できます。
「完成予想を模型やイメージ図などを使って説明してくれたので、想像しやすかったですね」と回想する奥さま。

2つの光庭で開放感を創造した ラグジュアリーなコートハウス

内に開放されたラグジュアリーな空間

 端正なフォルムが格調の高さを醸し出すファサード。駐車場の後方にも高い壁がありますが、これはエアコンの室外機やエコキュートなどが見えないよう設(しつら)えた目隠し壁です。左側の長いアプローチにはL字型の人感センサー照明をビルトインし、細部に至るまで繊細な仕上がりとなっています。
 アプローチを建物のほぼ中央まで進んだ位置が玄関。ドアを開くと重厚感のあるタイル張りの壁、広いタタキの横にシューズクローク、正面には自然光が降り注ぐ光庭が見えます。
「シューズクロークの奥からキッチン横の廊下に直接抜けられ、買い物した後など特に便利です」と奥さま。靴が玄関に出しっ放しにならない点もお気に入りとのこと。

 贅沢な空間使いにワクワクしながらLDKへ入った途端、片面すべてが天井から床までガラスというピクチャーウインドーに目を奪われます。光庭から差し込む自然光とホワイト系のインテリアが爽やかさで満たす空間。“カーテンの要らない住まい”という豊かな住み心地がすぐに伝わってきました。

 広いLDKのペニンシュラキッチン、トーンをそろえたタイルを貼ったリビング奥の壁、その横の和室も引き戸を閉じると壁に見える仕上がりなど、洗練された暮らしを形づくる秘訣(ひけつ)が緻密に設計されています。
「新居に引っ越す際に何を置こうか検討して、要らない家具やモノは処分しました。お客さまも『ホテルみたいねー』との感想を聞かせてくれます」と話す奥さまは、これまでの経験から“自分たちの暮らし”を見極めた様子。Oさんも「ソファは新居にあわせて、福岡まで行って選びました」と説明し、理想の空間に必要なものを厳選しています。

2つの光庭で開放感を創造した ラグジュアリーなコートハウス

奥行きを生かし、熟考された生活動線

 キッチンから先は、寝室やウォークインクローゼット、水回りをまとめたプライベートスペースです。洗面所や脱衣所、シャワールームがひと続きに並び、その向かいに大型のウォークインクローゼットが配置されているおかげで、身支度もスムーズに。奥行きある敷地の形状を生かして各空間を直線的につなげ、効率的な生活動線をかなえました。
「エアコンも取り付けたウォークインクローゼットの中は、ポールラックや引き出し収納など、すべて造作家具です」と説明してくれるOさん。
「寝室とウォークインクローゼットは分けて独立させたので、各部屋の機能に特化して、すっきりと仕上がりました」とうれしそうな奥さま。二人とも、夕食後に寝室でテレビなどをみてくつろぐ時間が大のお気に入りだそうです。

写真ギャラリー

2つの光庭で開放感を創造した ラグジュアリーなコートハウス

海外のトレンドなども参考に、ラグジュアリーな暮らし心地を提案

右:Style Create 一級建築士事務所 代表取締役 照屋秀吾さん 
左:有限会社秀林組 工事長 松田祥一さん

 Oさんから「カーテンのない、ホテルのような住まい」というご希望を受けて、建物と一体となった高い壁が内部に豊かな広がりを創造する、平屋のコートハウスをご提案しました。シンプルで余計なものを視野に入れたくないというご注文は、私たち設計士にとっても理想のデザインを追求できるありがたいオーダーです。

 駐車場の後方はエアコンの室外機やエコキュート、浴室やトイレの換気扇を目隠しする壁です。雨どいも壁の内側に施工し、スタイリッシュな意匠を損なわない工夫をしています。また外壁に雨が垂れてこない設計をしており、長期的に美観を保つよう計画しています。

 奥さまの「手入れがラクな住まい」というご希望から、IHコンロや食器洗い乾燥機、収納がビルトインされたシステムキッチンがセレクトされました。

 ホテルライクに仕上げるため、清潔感と上質感を併せ持つホワイトを基調とした内装に仕上げました。フロア全体に採用されたパールホワイトの塩ビタイルも手入れがラクな床材です。若干ツヤを感じる表面はマットな質感よりもキズが目立ちにくく、柔らかなパール感はラグジュアリーな雰囲気を演出します。塩ビタイルは床のコンクリートに直貼りすることが多いのですが、Oさん宅ではウッドフローリングと同様に木材で床下を設けて足裏に優しい感触を添えています。

 各ドアに採用した吊り式引き戸は、床にレールの溝がないためホコリがたまらない利点があります。このドアの高さも2.35メートルの特注品で、空間が高く広がるように印象づけています。天井高はリビングが3.3メートル、キッチンは2.35メートルと高低差をつけ、玄関からLDKへ入ったときに奥へ向かって空間の広がりを感じるようにしました。高い目隠し壁でカバーされたLDKですが、自然光を取りこむ光庭のおかげで明るさと開放感を与えています。

 玄関の壁に大判の自然石、リビングからコートへ一連に施工した石タイル、シャワールームの個性的なデザインタイルなど、多様なタイルを随所に採用したこともOさん宅の特徴です。色調や場所の特性を考慮したセレクトにより全体としての統一感を高めました。

 私たちは国内外のトレンドや最新基準も常に研究し、住まう方の豊かな暮らし心地に洗練された意匠をプラスしてご提案しています。


設計・施工会社

Style Create 一級建築士事務所 有限会社 秀林組

TEL:098-934-7338https://www.stylecreate.net

TEL:098-934-7338https://www.stylecreate.net

沖縄市美原1-5-23 2F

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