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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

実家を二世帯住宅へ。 1階はバリアフリーで安全に、2階は眺望のよさを生かす

実家を二世帯住宅へ。 1階はバリアフリーで安全に、2階は眺望のよさを生かす

DATA
家族構成:両親、夫婦、子ども2人
設計:株式会社りーふ(担当/大木聡)
敷地面積: 682.73㎡(206.53坪)
建築面積:91.64㎡(24.95坪)
延床面積:167.01㎡(50.52坪)
構造:鉄筋コンクリート造2階建て
用途地域:未指定
完成時期:2018年7月
建築:株式会社りーふ(宮城守康)
電気:野原電気空調(野原光夫)
水道:有限会社三星建設(瀬長誠)
キッチン:タカラスタンダード(黒川旭)

実家を二世帯住宅に建て替えたMさん。1階の親世帯はバリアフリーで暮らしやすく。2階の子世帯は窓からの眺めを満喫しています。

実家を二世帯住宅へ。 1階はバリアフリーで安全に、2階は眺望のよさを生かす

眺望を楽しむ

 眺めのよい高台にあるMさんの実家は、敷地に7mの高低差があり、外出の際は、41段の階段を上り下りしなければなりませんでした。また、築40年で老朽化が進み、耐震面での不安もありました。
「いずれは2世帯住宅に建て替えて両親と暮らそう」と考えていたMさんでしたが、お父さまが病に倒れて、車椅子生活を余儀なくされたことから、いよいよ家づくりに取り組むことにしました。「世話をする母親を見ると大変そうで、バリアフリーの家にしなければと思いました」とMさん。
 家づくりは完成見学会で気に入った建築会社に依頼。決め手は「建具の高さが天井まであり、圧迫感がなかったこと。間接照明をうまく取り入れているところも気に入りました」と奥さま。
 建築士には、2階建ての2階を子世帯の住まいとし、眺めのよさを生かしたデザインを希望しました。1階の親世帯は、第一にバリアフリーでお父さまが動きやすい間取りにすること。また、「息子から、好きなようにしていい、と言われたので、喜んでそうさせてもらいました。長年集めた趣味のものがいっぱいあるので、飾るスペースが欲しかったんです」とお母さまは話します。また、床の間に「古い家の床柱を使ってほしい」「吹き抜けで使っていた照明を新しい家でも使いたい」などと、家族の歴史とともにあったものを家づくりに生かし、古い家のよすがとすることにしました。

実家を二世帯住宅へ。 1階はバリアフリーで安全に、2階は眺望のよさを生かす

バリアフリーで暮らしやすく

 坂道を辿った先にある、緑に囲まれた白い2階建て住宅がMさんの家です。2階LDKからの眺めは素晴らしく、中部方面まで見渡すことができます。また、リビングの掃出し窓に続くL字型のベランダにテーブルと椅子を置いて、第2のリビングとして活用しています。「最近は、バーベキューを楽しんでいます。夜景がきれいですよ。」とMさん。リビングは、ベランダの形に合わせて、掃出し窓とフィックス窓をL字型に設けたことで、視界が広がり、開放感に溢れています。
 プランはシンプルにLDKを間に、階段側に廊下とこども室、奥に寝室と水回りを配置。初めて自分の部屋が持てて、子どもたちは大喜びです。今は間仕切りを設けず、広々と使っていますが、将来は二つに仕切る予定です。

実家を二世帯住宅へ。 1階はバリアフリーで安全に、2階は眺望のよさを生かす

 1階は玄関から廊下の突き当たりにLDKがあり、その廊下の左右に和室とお母さまの趣味の部屋を配置。さらにLDKから奥に廊下を伸ばし、その左右に寝室と水回りを配しました。お母さまは「小さいけれど、自分の部屋ができたことが、とても嬉しくて。掘りごたつ式のテーブルで、手作業を楽しんでいます。満月のとき、ここから見る月は大きくて、本当にきれいですよ」とにこやかに話します。
 また、お父さまは「寝室から水回りや玄関まで、直線で移動できて、暮らしやすさを実感しています。うちは高台にあるけれど、万が一災害にあっても、私の寝室の場所なら消防員が救助に当たりやすいと思う。車椅子を必要とするものにとって、完璧な間取りです」と大絶賛。
「子どもたちが、私たちより早く帰ったときは、1階の両親が見てくれるので安心です」と奥さま。一つ屋根の下、3世代が、それぞれのライフスタイルを尊重し、つながりを大切に暮らしています。


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