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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

趣味も子育ても思い切り楽しむ自分スタイルの無添加の家

趣味も子育ても思い切り楽しむ自分スタイルの無添加の家

DATA
設  計: サイアスホーム株式会社
      (担当/照屋葉月)
敷地面積: 195.76㎡(約59.22坪)
建築面積: 110.66㎡(約33.47坪)
延床面積: 98.31㎡(約29.74坪)
用途地域: 未指定
構  造: 壁式鉄筋コンクリート造
完成時期: 2023年11月
施  工: サイアスホーム株式会社
電  気: カネコウ沖縄
水  道: 金秀工業
キッチン: TOTO

健康を意識した素材使いや人の温かさに引かれ、マイホームに「無添加住宅」を選んだYさんご夫妻。
床面積30坪のシンプルな平屋には、室内外からアクセスできる趣味室や効率的な家事動線など、生活の質を高めてくれる機能が盛りだくさんです。

週刊かふう2024年7月12日号に掲載された内容です。

趣味も子育ても思い切り楽しむ自分スタイルの無添加の家

間違いない素材と“人”の姿勢に共感

 決め手は安心感。数ある選択肢の中から「無添加住宅」を選んだのは、その名称に象徴されるように、身体に良くないものは使わないという家づくりのスタンスに共感を覚えたから。「実際に親類が建てて住んでおり、家の雰囲気や居心地の良さは分かっていたので」とご主人。漆喰、無垢材、炭化コルク、米のりなどで構成された住空間には、安心して心身を委ねられる優しさが感じられました。
 
 素材だけではなく「人」に対する安心感もありました。共働きで小さい子ども2人を持つご夫妻にとって、完成見学会を巡ったり相談に訪れたりするのはかなりのパワーを要するものでしたが、「いつ訪れてもスタッフの応対が温かく、キッズルームがあるので打ち合わせに集中できる。振り返ると、そんな会社の姿勢が大きかった気がします」。普段着の自分たちを受け入れてくれる安心感は、信頼感につながりました。

 本格的に計画を始めたのは2年前。ご主人の実家の隣地が好条件で売り出されているとの情報を知り、「想定していたライフプランを前倒しすることにはなるけれど、このタイミングは逃せない」と購入を決断。東西に細長い敷地形状に沿って箱形の平屋を置き、床面積30坪を目安にレイアウトを考えていきました。
「LDKは広く明るく。家中どこにいても隅々まで目が届くように」といった新居イメージに加え、「庭を通じて実家と行き来したい」「趣味のアウトドアの世界観を盛り込みたい」等々、要望は多岐にわたりましたが、パズルのピースを組み立てるようにして理想的な間取りが完成。ウオークインクローゼットやパントリー、室内干し完備のランドリールームなど、居室以外のスペースも充実しています。

趣味も子育ても思い切り楽しむ自分スタイルの無添加の家

何十年たっても愛着の湧く家に

 Yさん宅の特徴の一つである趣味室は、室内外からアクセスできる土間仕様。玄関の横にあり、駐車場からも直接アウトドア用品を出し入れできます。内装は引き渡し後にご主人自らDIYで仕上げ、「何をどのように飾るかは、その時々の気分次第」とのこと。現在進行形で改装が続いています。

 トップライトからの明るい光に包まれた玄関ホールは、趣味室、ランドリールーム、LDK、さらにはパントリーへの分岐点となるターミナルのような存在です。正面のFIX窓越しには、タイルデッキ・植栽・庇下に保管したサップボードが視界に入り、ご主人にとって「大好きな空間の一つ」になっています。

 家族の集いの場であるLDKは、20帖の広さがあるボリューミーな空間です。リビングダイニングには洋室・和室・主寝室が隣接し、すべての戸を開け放てば、庭を含めた大半のスペースを一体的に活用できます。「家の奥からでも庭まで目が届き、子どもたちと常に顔を合わせられるので安心ですね」と奥さま。吹き抜けになったリビングの天井高は3.4メートル。開放的な雰囲気を一段と高めています。

 デザインは白の漆喰を基調に、フローリングには明るい色合いのインドネシア松を施工。アクセントとしてリビングのテレビ背面には、通常は床に使うアカシア材を張り、キッチンの天井と床は木目調にして統一感を演出しました。
 漆喰や無垢材の作用なのか、「隣の実家と比べて、空気がとても軽やかなのが分かります」とご夫妻。のびのびと駆け回る子どもたちの健やかな姿に目を細めながら、「いつでも帰ってきたいと思えるような、愛着の湧く家にしたい。子どもたちが大きくなってライフステージが変わっても、柔軟に住みこなしていけたら」と展望を描いています。

写真ギャラリー

趣味も子育ても思い切り楽しむ自分スタイルの無添加の家

家族と空間の一体感を自然と高め、幸せを育む無添加の家づくり

漆喰、無垢材、炭化コルク、米のりなど、健康・安全性を重視した素材を厳選。
予算設定が明確で、やりたいことをかなえられる自由度の高いデザイン仕様

サイアスホーム 株式会社 オアシス設計部:照屋葉月さん(左)、安里萌さん

「無添加住宅」とは「身体に良くないものは使わない」という理念の下、全国展開している注文住宅ブランドです。合成接着剤や化学建材は一切使わず、漆喰や無垢材、天然石、炭化コルクの断熱材など自然素材を中心に活用し、健康的な住環境を実現。その中で私たちサイアスホームでは、沖縄の気候風土や地元のニーズを加味しながら「平屋シンプル」「平屋アジアン」「平屋二世帯プラン」といったシリーズ商品にまとめ、予算・生活スタイルに合った体に優しい住まいを自由設計で提供しています。

 今回のYさん宅は床面積30坪の「平屋シンプル」の住宅です。調湿・抗菌などの機能がある漆喰は、「室内が明るく広く感じられるように」との要望を踏まえ、すべてスタンダードな白で統一。フローリングの無垢材は、黄白色がきれいなインドネシア松をメインに使い、主寝室とウオークインクローゼットには柿渋塗装のアカシアを施工しました。

 プランニング面では、限られた空間の中でより開放感が得られるように、居室間のつながりを意識しました。例えばLDKは直線上に広がるワンルーム的なスペースとし、隣り合う和室との一体感も確保。主寝室・洋室・玄関ホールのドアを開ければ全方位に視線が抜けて、家全体に連続性が生まれます。また庭に面したタイルデッキには木目調の素材を選び、キッチン頭上の板張りと合わせて、屋内外の境界が曖昧になるように工夫しました。

 縦方向の空間の広がりにも気を配り、リビングは天井高を一段上げて吹き抜けのような雰囲気に。他の居室は標準的なサイズに抑えることでリビングのボリューム感を強調し、メリハリの利いた伸びやかな印象を創出しました。さらに天井付近の東西両面には換気機能を備えたハイサイドライトを設け、室内の熱を効率的に逃がすとともに明るさを補っています。

 他にも間取りについては、古来の風水思想をベースにした沖縄古民家の形態を手本にしました。具体的には、敷地南側の庭に面して客間・居間を並べ、主寝室は裏座の位置に。水回りは生活スペースとは分離させ、西側にまとめて配置しました。結果として現代のライフスタイルにフィットすると同時に、常に光と風の移ろいを感じる風土に根ざした住まいに仕上がっています。

設計・施工会社

うるま市兼箇段1985-1 このかの森スタジオ

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