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琉球・沖縄年中行事 なんでもQ&A

琉球・沖縄年中行事 なんでもQ&A

週刊かふう2020年10月9日号に掲載された内容です。

ウチカビと一日・十五日のしきたりに関する疑問

琉球・沖縄年中行事 なんでもQ&A

ウチカビの貸し借り

Q:法事の盛菓子をお供えしたとき、自分のウチカビを忘れたので姉の嫁ぎ先から借りようとしたら、「あんたのグソーのウヤファーフジがヒンスームンになるよ~」と親戚のおばさんたちから叱られました。ウチカビを「偽札」という人もいますよね? 偽札なら借りても大丈夫ですよね?
(久米島町・Hさん・40代・女性)

A:Hさん、ウチカビが偽札とは、また大胆な発想ですね(笑)。先人の方々がご健在なら、さぞ驚かれることでしょう。ウチカビなど、沖縄の祭具の基本をもう一度、確認してみましょう。

《仏具・祭具の貸し借りは行わない》
 沖縄のしきたりには、『仏具・祭具の貸し借りを行わない』という考え方があります。これは、作法・心得の基本中の基本、ウグヮンブスク(御願不足)が出ないよう、とどこおりなく儀式・法要をお勤めするためといわれています。
 親戚のおばさんたちのご意見は、「前もって、きちんと準備しなさい」「ウヤファーフジのことを大切に敬いなさい」との愛情表現ではないでしょうか。
 当日、ついうっかり忘れてしまったとき、ウチカビを借りるのではなく、小銭をご当家に手渡して、買っている光景もよく目にしますが、これはあくまでも特例として参考になさってください。
 ウチカビは、偽札といえば偽札なのかもしれませんが、昔の先人の方は、ウチカビのことを『カビジン(紙銭)』の紙幣ともいわれていますので、グソーの紙幣として敬っていただけたらと思うのです。

《ムイグヮーシ(盛菓子)のウチカビの意味》
 ムイグヮーシにご自分が準備したウチカビをお供えする意味は、カビアンジ(焚き上げ)するとき、「このムイグヮーシはHさんからのウサギムン(お供え物)ですよ~」とお供えしてくださった方々のお名前を、ウヤファーフジにご報告するための意味があるといいます。
 最近では、このしきたりをご存じない方も増え、お供えしないことが多くなってきていますが、Hさんはこれからもぜひ、沖縄のありがたいしきたりを次世代に継承していただければと思います。

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一日・十五日のウチャトウ(御茶湯)

Q:私の父は、亡くなった母のウチャトウを毎日お供えしています。あるユタからは、「一日・十五日以外にウサゲたら、ウヤファーフジが癖になるよ~」といわれました。また別のユタからは、「毎日、ウサゲないとウグヮンブスクになるよ~」ともいわれました。父は、「母ちゃんの喉が渇いたらかわいそうだから、やりたいときにウサゲたらいいさ~」と気にもしていません。どの意見が正しいのでしょうか?
(八重瀬町・Kさん・40代・女性)

A:Kさんのお父さんは、いろいろなご意見の中にも、喪主としてしっかりお母さんのご供養をなされているのですね。私も、お父さんのお気持ちと同じ考え方です。

《一日(チータチ)・十五日(ジューグニチ)論》
 印度(インド)・中国などの東アジア圏には、一日の新月・十五日の満月のように、森羅万象の節目・節目が、一日・十五日であるという考え方が昔からあります。
 昔の印度・尼波羅(ネパール)周辺の修行僧の方々は、この一日・十五日に、結集(けつじゅう・拡大解釈では寄り合い全般)を開催していたといい、その名残が旧暦一日・十五日の沖縄のしきたりに継承されていったのではないかともいわれています。
 一方で、一日・十五日は平生、つまり日常・毎日と見なす考え方もあります。例えば、結集で寄り合うのは一日・十五日ですが、そこで意見を発表するためには、平生の学問研鑽・修行鍛錬をしっかり行っていなければならず、平生=日常の努力の大切さも説かれているといいます。

《一日・十五日でも、毎日でも》
 前者のユタの先生は、一日・十五日に重きを置かれ、後者のユタの先生は、平生の日常・毎日に重きを置かれているのでしょうね。この点につきましては、どちらを選択されても差し支えないと思います。
 ただ、お父さんのように「母ちゃんの喉が渇いたらかわいそうだから」と、故人様の気持ちになって考えてあげることが大切なのではないでしょうか。夫なればこそ理解できる、妻の思いという境地があるのかもしれませんね。

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