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新着 不動産 File.2 相続Q&A 「相続土地国庫帰属法」の新設

新着 不動産 File.2 相続Q&A  「相続土地国庫帰属法」の新設

週刊かふう2022年4月22日号に掲載された内容です。

「相続土地国庫帰属法」の新設

昨年4月に法改正等された所有者不明土地解消に向けた見直しの中で、不動産相続に関する身近な情報を中心に提供します。第2回は新たに創設された「相続土地国庫帰属法」について、区長と青年会会長のおしゃべりで解説します。

新着 不動産 File.2 相続Q&A  「相続土地国庫帰属法」の新設

<法務省HP「所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し」より抜粋>

とある日曜の昼下がり、“世話好き”区長と“張り切り”青年会会長の会話

【区長】 私も歳を取ってきて、断捨離を進めようと思っているところなんだ。

【青年会会長(以下、青年会)】 区長、物の整理が苦手そうですものね。

【区長】 ただ、一つだけ捨てられないものがあってだな。

【青年会】 煩悩ですか?

【区長】 土地だよ。欲しいなら、タダで君にあげるよ。

【青年会】 タダほど高いものはないと言いますよ。なにか嫌な予感がします。

【区長】 では10万円あげるから、もらってくれないか?

【青年会】 ますます怪しいですよ!

【区長】 親父から相続した土地なんだが、使い道がなくてね。売れるような土地でもないんだ。管理費用はかかるし、固定資産税を納めないといけないしねぇ。

【青年会】 そもそも、土地って捨てられないんですか?

【区長】 土地所有権の放棄については、民法に規定がないんだよ。でも、このままでは管理も名義も放置されたままの土地が増えてしまう。そのうち、相続関係が複雑化して、将来的に所有者不明土地(相当な努力を払ってもなおその所有者の全部または一部を確知することができない土地)になってしまう可能性がある。その予防策として、相続した土地を所有者が放棄して国庫に帰属させる法律ができたというわけだ。

【青年会】 では、区長の土地の問題も解決できますね!

【区長】 それが、そう簡単にはいかないんだ。もし、無条件に放棄を認めたら、どうなると思う?

【青年会】 後で放棄すればいいと思って、管理をしなくなる人が出てきそうですね。ゴミを埋めた土地を放棄したり。

【区長】 そう。倫理観の欠如という問題だね。この制度の目的は、現在は適切に管理されている土地が、所有者の死亡により相続が発生して、将来的に管理されなくなることを防ぐものなんだ。

【青年会】 適切に管理されている土地ということが、前提なんですね。

【区長】 だから、この制度を利用するには、法務大臣に申請をして承認を受けなければいけないんだよ。建物が建っている土地、抵当権などが設定されている土地、境界が明らかでない土地などは、そもそも申請できないことになっている。

【青年会】 申請に費用はかかるんですか?

【区長】 物価の状況や、審査に要する実費などを考慮した手数料を納めることになっている。そして、通常の管理・処分が可能な土地であるかの審査が行われるんだ。国庫に土地が帰属するということは、今後、国が税金でその土地を管理することになるからね。その管理に過分の費用や労力を要するケースでは、承認されないんだ。

【青年会】 承認されると、晴れて土地の所有権を放棄できるんですね!

【区長】 いや、さらに10年分の標準的な管理費用を納付しなければならないんだ。その負担金を納めて、ようやく国庫に帰属することになる。手数料や負担金の具体的な金額は、政令で定められることになっているよ。

【青年会】 なかなかハードルが高そうですね……。

【区長】 でも、土地の所有権を放棄できる制度ができたこと自体、画期的なことだと思うよ。私の土地も、皆に迷惑をかけないように、しっかり管理しようと思っている。しかし、将来、子どもたちがきちんと管理してくれるかは不安だよ。

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司法書士 幸良 和也(こうら かずや) 

平成7年司法書士試験合格
司法書士法人きゃん事務所 与那原町字東浜23番地2
Tel:098-882-8177 Fax:098-882-8178

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